天声人语 20120726 花姿摇曳夏风中

天声人语 20120726 花姿摇曳夏风中

▼草冠(くさかんむり)に秋と書いて「萩」なのだが、ご近所の塀を越えて伸びているハギが、はや二つ三つ紫の花をつけ始めた。隣にはまだ白いクチナシの残り花があるのに、気の早いことだ。今年はどんな天候かな、と偵察に来た、ハギの花の先遣隊かも知れない
草头下面一个秋是为“萩”。附近的萩花越过栅栏探出枝头,两朵三朵争相开放。邻家只见白色栀子,性急可见。也许萩花只是先头部队,来侦察看看今年天候如何。
▼公園にはキキョウがゆれている。こちらも秋の花のイメージなのに、ずいぶんせっかちだ。調べると早咲きの種類らしい。梅雨どきに咲くので「五月雨桔梗(さみだれききょう)」と呼ばれたりするそうだ。薄い紫の花は涼しげで、炎暑をふっと遠ざけてくれる
公园里桔梗摇曳生姿。这种象征秋季的花在夏季开放,可见性急。经调查发现这似乎是一种早开的品种。据说因其在梅雨季开放,所以又叫“梅雨桔梗”。其花淡紫清爽,为我们一扫盛夏酷暑。
▼この夏、拙宅で鉢植えの夕顔を育てている。ご記憶の方もおいでだろう、昨夏、小欄で夜顔を夕顔と間違えて書き、おわびをした。ヒルガオ科の夜顔は、広く「夕顔」の通り名で呼ばれるが、夕顔ではない。罪ほろぼしのつもりで、本物のウリ科の夕顔の種をまいた
今夏,寒舍种了些盆栽夕颜。或许有读者还记得,昨夏,敝栏曾将夜颜错当成了夕颜,还因此道了歉。旋花科的夜颜虽然通称“夕颜”,但却并非夕颜。出于赎罪的心理,笔者特意撒了些正宗葫芦科的夕颜种子。
▼先月の末、夕闇に白く咲いているのを見つけた。夜ごとに花を開いたが、もう花期は終わって小さな実をいくつかつけている。実はごろりと大きく育って、干瓢(かんぴょう)の原料になるそうだ
上月末就发现白花开在暮色中。虽然花开夜夜,无奈花期已过,现在花枝上唯留果实小小个儿。据说,个头大的果实可以作为制作葫芦干的原料。
▼〈心あてにそれかとぞ見る白露の光添へたる夕顔の花〉。源氏物語のよく知られた歌はヒロインのひとり、夕顔が詠んだ。光源氏との逢瀬(おうせ)のあと死んでしまうはかなさが、ごろりの実はともかく、花の姿にはよく似合う
“夕颜凝露荣光艳,料是伊人驻马来。”这首源氏物语中脍炙人口的和歌便是主人公之一的夕颜所吟诵的。与光源氏有过际会却最终难逃一死的无常人生,有没有结果暂且不说,倒真颇似夕颜之姿。
▼そして夕顔のあとは、朝顔が開きだした。「乗り切る」という動詞がふさわしい炎暑の季節。萩をゆらす秋風が吹くまで、朝露の光る一輪に英気をもらう幸いも、またよしである。
夕颜之后,便轮到朝颜花开了。从适合“熬过”这个动词的盛夏季节,到秋风拂面栀子摇曳的秋天,从那散发出朝露光芒的花朵中获得朝气,确为人生乐事。
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